自己都合の退職方法!スムーズに会社を辞めるための手続きとは?

退職をする際に必要な手続きとはどんなものがあるのかご存知ですか。

知らないと損をしたり、後悔したりする人も少なくありません。

そこで今回は、自己都合で退職するまでの一般的な流れと、手順、退職後の手続きなどについてご紹介します。

意外と知らない『退職届』と『退職願』の違いや、退職後の保険関係の手続き方法についてもまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

退職までの一般的な流れ

まずは会社に「退職したい」という意思を伝えなければなりません。しかし、実際は「いつ?誰に?どういう形で?」と悩んでしまう方は多いものです。

退職をする場合、法的には2週間前に伝えれば、問題ありません。しかし、2週間前では退職した後に迷惑が掛かってしまう場合があります。人員補充や引継ぎなどを考えると、退職意思を伝える時期は、少なくとも1か月前がいいでしょう。

次に、退職を伝える相手についてですが、まずは直属の上司がベストです。課長や工場長など、人員配置の権限がある直属の上司に伝えましょう。

最後に、退職を伝える方法についてですが『退職届』か『退職願』を用意した上で、「退職したい」という言葉と共に伝えます。

『退職願』や『退職届』は「退職したい」という意思を伝えたという証拠にもなりますので、コピーを取って手元に残しておくといいでしょう。

では実際に書面を用意する際、『退職願』と『退職届』のどちらが相応しいのか、『辞表』についてもあわせて、次は3つの違いについて説明していきます。

『退職届』と『退職願』と『辞表』の違い

『退職届』は「退職します」、『退職願』は「退職したいです」、『辞表』は役員が「組織を辞めます」と伝える書類です。

しかし、テレビなどで見たことがあるかもしれませんが、実際に同僚などが直属の上司に手渡しているところを目にしたことがある方は少ないでしょう。

手本になる例がないので、「どれを用意したらいいのか分からない」という方や、「どんな内容を書くものなの?」という疑問をもって当然です。

これから、『退職届』『退職願』『辞表』それぞれの違いをご紹介する前に、3つすべて共通の基本的な書き方を解説します。

『退職届』『退職願』『辞表』すべて共通の書き方の基本

  • 黒のボールペンか万年筆で書く
  • Wordなどで作成も可
  • 縦書きでも、横書きでも可
  • 提出する日にちを記入する
  • 宛名は「宛名→〇〇株式会社 代表取締役社長 〇〇様(提出する人物名は社長)」とする
  • 部署名と氏名を記入する

この3つを基本とし『退職届』『退職願』『辞表』の違いと、書き方の例をご紹介していきます。

『退職届』とは?

『退職届』は「退職します」と伝える書面です。

少々、一方的な伝え方ですので、「退職の意思を伝えたが引き留められている」などの理由で、「どうしても辞めたい」という意思を伝える際に用います。

また、すでに退職が認められた場合にも『退職届』を用いることがあります。「いった、いわない」のトラブルを避けるためや、事務手続き上、必要になる場合もあるため、口頭の話し合いで退職が決定している場合でも『退職届』が必要になる場合があるのです。

『退職届』の内容は「この度一身上の都合により、来る令和〇〇年〇月〇日をもちまして退職いたしますので、ここに届出ます。」と書くのが無難でしょう。

『退職願』とは?

「退職したいので承認を願います」と伝える書面を『退職願』といいます。

まずは『退職願』で「会社を辞めたい」という意思を伝えるのがいいでしょう。承認されれば、退職が決まる流れとなるもので、退職の際に絶対に必要とされるものではありません。

口頭で伝え、話し合いで退職が決定されれば『退職願』は必要ないという会社もあるでしょう。しかし、『退職願』は「退職したい」ということを伝えた証拠になることや、最近では退職の意思が強いということを示すことにも用いられます。

『退職願』の内容は「この度一身上の都合により、来る令和〇〇年〇月〇日をもちまして退職いたしますので、ここにお願い申し上げます。」と書くのが無難でしょう。

『辞表』とは?

役員が役を離れる場合や、公務員が組織を辞める場合などに提出する書面を『辞表』といいます。そのため、雇用されている労働者という立場の方は『辞表』を提出する機会はありません

常識ある退職方法と手順

どんなに会社に不満があって辞める場合でも、常識のある退職の方法で会社を去りたいものです。

それでは、一般的な退職のマナーと手順をご紹介します。

引き継ぎをおこなう

自分がしてきた仕事をほかの誰かに任せなければ、多くの従業員に迷惑が掛かってしまう場合があります。

「辞めた後の会社のことなんて関係ない!」と思ってしまう方も少なくないでしょう。しかし、一緒に働いてきた仲間にまで迷惑をかけるのは、少し心が痛くはありませんか?

後任の方に引き継ぎをおこない、スムーズに仕事が継続できるよう配慮しましょう。できれば、引き継ぐ内容をまとめたノートなどを作ると、後任の方も分かりやすいでしょう。

有給休暇を取得する

残っている有給休暇はすべて消化してから、退職したいものです。退職後は、有給休暇は消滅してしまいますので、退職日を決める際に、有給休暇をすべて消化できるように計算しておくことも大切です。

また、残念ながら有給休暇が取りにくいという会社もいまだに多く存在します。もしも「退職日前に有給休暇が取得できるか不安だ…」という場合には、退職届に「〇年〇月〇日から〇月〇日までは有給休暇を取得し、〇年〇月〇日付で退職します」と書くといいでしょう。

退職後にやるべきことを決めておく

退職前に次に働く会社が決まっていない方は転職活動をおこなわなければなりません。

「しばらくはゆっくりするか!」と考えている方もいるかもしれませんが、収入がない状態でどのくらいの期間を過ごすことができるのかという計算をしておくことは大切です。

「〇月までには次の職場を決めたい」など目途を決め、転職活動をするなど、退職後のプランをしっかりと決めておきましょう

お世話になった方へ挨拶をする

社会人の常識として、挨拶はしっかりと済ませましょう。

ヒドイ扱いをされた会社だった場合、「もう顔も見たくない!」と思ってしまう相手もいるでしょう。しかし、少なからず会社で得たものはあるはずなので、お世話になった先輩や上司、助けてもらった後輩や、よくしてもらった取引先やお客様などには退職することを伝えましょう。

またどこかで顔を合わせたときも笑顔で会話ができるよう、一言お礼を加えて、挨拶ができるといいでしょう。

私物整理を済ませる

自分用に使わせてもらっていたデスクや、ロッカーなどにある私物はすべて持ち帰るようにしましょう。

また、後任の方が使いやすいようにデスク周りや、パソコン内なども整理しておくことも大切です。

会社のものはすべて返し、後にトラブルにならないよう十分に気をつけましょう

退職後の手続き

会社を辞める場合、手続き関係のこともしっかりと整えておかなければいけません。

失業保険や、健康保険、年金保険や税金など、手続き関係は意外と多いものです。面倒臭く感じてしまうかもしれませんが、大切なことですので、ひとつずつ片付けていきましょう。

失業保険の手続き

一定の条件を満たしていれば、退職後にお金を受け取ることができるものなので、会社を辞めようと考えている人にとって、大切な手続きです。

失業保険は、在職中に加入し支払っていた雇用保険から支払われます。

一定の条件とは以下の2つです

  • 過去2年間で合計12か月以上雇用保険に加入している
  • 働く意思がある

手続きに必要なものは6つです。

  1. 離職票
  2. 雇用保険被保険者証
  3. 身分証明書
  4. 印鑑
  5. 証明写真(縦3cm×横2.4cm程度)
  6. 本人名義の銀行・郵便局の通帳

手続きは住所地を管轄するハローワークで行います。

  1. 離職(在職中に証明書などを準備)
  2. ハローワークで『求職申込み』
  3. 『離職票』を提出
  4. 受給資格確認後、受給説明会で『雇用保険受給者資格証』『失業認定申告書』を受け取る
  5. 求職活動(ハローワーク窓口で職業相談、職業紹介など)
  6. 4週間に1度、失業状態にあることの確認、『失業認定申告書』に求職活動の内容などを記入、『雇用保険受給者証』と一緒に提出
  7. 雇用保険給付

失業保険は人によって支給額が変わりますが、おおよそ1日5~6,000円で計算し90日~120日分と考えておきましょう

職業に就いた場合

失業保険の支給残日数が多いなどの要件を満たしていれば、職業に就いても『就業促進手当』が支給されます。

『就業促進手当』は3つあります

  • 再就職手当
  • 就業促進定着手当
  • 就業手当

安定した職業に就いた場合は『再就職手当』、再就職手当を受給し、再就職先に6か月以上雇用され、再就職先の賃金より前職の賃金の方が上回っている場合は『就業促進定着手当』の支給対象者です。

また、再就職手当の支給対象外の常用雇用など以外の形態で就業した場合で、一定の要件に該当する場合は『就業手当』が支給されます。

健康保険の切り替え手続き

退職後の健康保険の切り替え先は3つあります

  • 健康保険任意継続
  • 国民健康保険
  • ご家族の健康保険(被扶養者)

会社から健康保険証を受け取っている場合、退職する際には会社に健康保険証を返却した後、国民健康保険に加入するのが一般的です。

任意で健康保険を継続することも可能ですが、社会保険の健康保険は、半額を会社が負担してくれているので、その分保険料が上がります。

また、配偶者や親、子供が社会保険の健康保険に加入している場合、被扶養者での加入も可能です。どの形式に切り替えるかは自由ですが、何の手続きもしない場合は、自動的に国民健康保険に切り替わることを覚えておきましょう。

健康保険任意継続へ切り替える方法

協会けんぽの保険証を持っている人は『お住まいの協会けんぽ支部』へ、各健康保険組合(健保組合)の保険証を持っている人は『各健康保険組合』で手続きを行います。

健康保険任意継続ができる条件

  1. 資格喪失日の前日(退職日)までに継続して2か月以上の被保険者期間があること
    ※退職せず、勤務時間・日数の減少により健康保険の資格を喪失した場合も該当します。
  2. 資格喪失日から20日以内に、「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること
    ※お住まいの住所地を管轄する協会けんぽ支部へご提出ください。
    ※健康保険組合に加入していた方は、健康保険組合にて手続きをします。
    引用元:全国健康保険協会/会社を退職するとき(任意継続)※任意継続被保険者の資格は2年でなくなります。また、途中で『国民健康保険に加入する』『ご家族の健康保険の扶養に入る』などの理由で、健康保険の形式を切り替えることはできません。

国民健康保険へ切り替える方法

14日以内にお住まいの市区町村の国民健康保険の係へ相談してください。

手続きに必要なものは3つです

  • 印鑑
  • 退職証明書や雇用保険の離職票など(加入していた健康保険の資格喪失日が分かる書類)
  • 本人確認ができる身分証明書(運転免許証、パスポート、住民基本台帳カード(顔写真付)、年金手帳など)

※扶養家族を含めて国民健康保険に加入する場合は、扶養家族全員の健康保険資格喪失証明書など(要確認)が必要です。

被扶養者へ切り替える方法

社会保険の健康保険に加入しているご家族の勤務先を通して、手続きを行ってください。

被扶養者に切り替えられる条件

  • 被保険者の収入によって生活している家族であること※
  • 被保険者の収入の2分の1未満で、ご自分の月額収入108,333円以下で、なおかつ年間収入130万円未満であること

などがあります。

※同一世帯でなくてもいい人→配偶者(内縁を含む)、子、孫、兄弟姉妹、父母等直系尊属

※同一世帯であることが条件の人→上記以外の三親等内の家族(義父母等)、被保険者の内縁の配偶者の父母・連れ子

年金保険の切り替え手続き

厚生年金は退職した後に、何の手続きもしないと自動的に国民年金に切り替わります。ただ、退職後に年収130万円以下になった場合で、配偶者、親、子供に厚生年金に加入している方がいる場合は、本人負担がなくなります。

国民年金へ切り替える方法

お住まいの市役所、区役所、町村役場で手続きをおこなってください。手続きの際、基礎年金番号を記入しなければなりません。

被扶養者へ切り替える方法

厚生年金に加入しているご家族の勤務先を通して手続きをおこないます。

被扶養者に切り替えられる条件は、社会保険に加入している家族の健康保険の被扶養者になるときの条件と同じです。

国民年金保険料の納付が困難な人

所得が少ないなどの理由で国民年金保険料の納付が難しい場合は、申請手続きをおこなうと免除になる制度があります。お住まいの市役所、区役所、町村役場で申請をおこなってください。

退職後の税金について

住民税はほとんどの人が給料から引かれていますので、退職した場合は自分で支払わなければなりません。住民税の支払いがあることも、頭に入れておきましょう。

※住民税は所得に応じて決まっています。

※住民税は前年度の収入(1月1日~退職日まで)の収入を基準に住民税を算出します。

※6月から4回払い

令和元年10月現在

まとめ

  • 退職時は書面と口頭で直属の上司に申し出る
  • 1か月前に退職を申し出るのがベスト
  • 『退職届』は「退職します」と伝えるもの
  • 『退職願』は「退職させてください」と伝えるもの
  • 『辞表』は役員などが「組織から抜けます」と伝えるもの
  • 『退職願』は絶対に必要ではないが、意思を伝えた証拠にもなる
  • 退職前にやるべきことをおこない、常識的に辞める
  • 後任者に引継ぎノートを渡すと親切
  • 有給休暇の取得も考え退職日を決める
  • 退職後の転職活動しのことを考えておく
  • お世話になった方へお礼の挨拶をする
  • デスクやロッカーの私物整理をする
  • 手続きは退職後に速やかに済ませる
  • 失業保険の手続きはハローワークでおこなう
  • 健康保険は退職後に、国民健康保険へ加入するのが一般的
  • 厚生年金は退職後に、国民年金に切り替えるのが一般的
  • 住民税の支払いがあることも忘れてはいけません

退職を申し出るタイミングは、法律上は2週間前となっていますが、引継ぎなどを配慮し、1か月前に伝えるのがベストです。

退職後の手続きのことも考えたうえで、退職前にやるべきことしっかり済ませ、常識的な常識的な退職を目指しましょう。