転職で出戻りは可能?面接と志望動機のポイントと対策を知りたい

違う場所でキャリアを磨きたいと転職した方でも、いざ転職してみると「以前の会社の方が働きやすかった」と感じたり、人によっては前の会社で再び働きたいという思いが強くなったりする場合もあるかもしれません。しかし、出戻り転職は可能なのでしょうか?

ここでは、出戻り転職したい方に向けて疑問や効果的な面接方法・志望動機の伝え方について、解説します。

 前に勤めていた会社に出戻りは可能?

現在では、前に勤めていた会社に出戻りをする人も多くなっているのをご存知でしょうか?以前まで、転職後は前の会社に戻らないという気持ちでいた人が大半だったといわれています。また、会社側も1度退職した社員が出戻ってくるという認識は少ないものでした。

しかし、最近では人材の流動化が進み、会社側も業務経験者やスキルなどを保有している人を雇用したいという価値観に変化してきています。そのため、1度退職したからといって、出戻り社員は受け入れないという会社の数は減りつつあります。

現に、過去に退職した社員の出戻りを受け入れた会社について、某人材会社が調査しています。それによると、2018年度時点で72%もの出戻り社員を再雇用したというデータが示されているのです。また、人事だけではなく、周りの社員も出戻り社員に対して、80%が良好な反応だったという回答も出されています。

このような動向を見ると、会社側は出戻り社員に対して寛容な心を持っていると言えます。出戻りを受け入れてくれるか不安な転職者も多いでしょうが、勇気を持って挑戦してみる価値は大いにありそうです。

出戻り転職が有利になる人の特徴

出戻り転職は、すでに珍しい流れではありません。しかし、出戻りを成功させるためには、転職者自身に強みがある方が有利になります。ここでは出戻り転職が有利になる人の特徴について、以下のポイントを確認しておきましょう。

1.円満退職をしていること

入社時も大切ですが、お世話になった人に感謝をしつつ円満に退職したかどうかが重要になります。また、退職理由として結婚や出産、家庭の事情などによって一旦職を離れる正当な理由があった場合も円満退職の部類に含まれます。

さらに重要なのは、礼儀を尽くしたうえで退職したかどうかです。マナーやモラルを守っての退職なら問題はありません。しかし、無断欠勤したまま退職したなどのトラブルがあった場合は難しくなるでしょう。

2.スキルがあり、即戦力になってくれること

出戻りしたい会社では仕事熱心で、適切なスキルをもって働いていた人は、会社側にとって心強い存在です。たとえば、新人を雇うとなるといくら実務経験者でも、会社に慣れるまである程度の時間が必要です。その点、出戻り社員であれば、仕事の流れが分かっているので即戦力になることが可能です。

3.元上司などが好印象を持ってくれていること

いくら仕事ができたとしても、元上司などの採用に権限をもつ人物にマイナスメージを持たれていては、出戻りは困難です。会社は仕事をする場所に変わりはありませんが、人間関係も重視されます。元上司などとそりが合わない、お互いに理解しづらい関係にあったとしたら、1度出戻りを再検討する方がよいかもしれません。

履歴書や職務経歴書は揃えよう

出戻り転職したい会社には、あなたの個人情報などがまだ残っている場合も多いでしょう。しかし、当時と現在ではあなた自身の状況が異なっているケースもありますし、スキルや経験面でも能力が上がっている部分が多々あるかと思います。そのため、今現在の自分をしっかりと整理して、会社側から理解と評価を得るためにも、履歴書や職務経歴書は用意しておくことが必要です。

また、以前勤めていた会社だからといって、「細かいことは書かなくても問題ないだろう」と感じる人もいるかもしれません。しかし、書類面で手を抜いてしまうと、あなたの誠意やマナーを疑われてしまいます。あなた自身を分かってくれている会社だとしても、礼儀正しく新たな気持ちで接することが大切です。

履歴書の書き方や面接の答え方

履歴書作成や面接のときに気になってしまうことは、どう書けばよいのか、何を話せばよいのかということでしょう。もし、知らない会社に転職するなら、先入観なしに対策を練ることができます。

しかし、出戻りとなると、志望動機や企業の魅力、自分がどんなことに貢献できるかなどを伝えることが難しくなることもあります。ここでは出戻り転職に必要な履歴書の書き方や面接の答え方について、見ていきましょう。

出戻りしたい理由をポジティブに

会社側としては出戻り社員に寛容でも、なぜ1度退職したにも関わらず、再び働きたいと思ったのかという理由が気になります。そのため、履歴書の志望動機の欄や面接では、出戻りしたい理由をポジティブに伝えましょう

間違っても、「他の転職先が不採用だったから」「給料面が転職先の企業より良かったから」などと答えてはいけません。このような理由だと、会社に貢献したいというよりも、自分自身だけのメリットのためだと受け取られかねません。

会社で働くということは、社員側だけではなく、会社側にもメリットがなければならないのです。つまり、両者の思いのバランスが取れて初めて採用となります。

会社側に好印象を持ってもらうためには、できるだけネガティブな言い回しは避けることが賢明です。たとえば、「転職先では○○というスキルを最大限に生かす環境になく、○○に力を入れている貴社で、もう1度働きたいと思っています」。このような意欲に満ちた理由がよいでしょう

出戻り企業の魅力をまとめる

出戻りを希望するということは、それだけの魅力を前の会社がもっているということです。。そう感じるのは他の会社で勤務し、内情を知ったからこそ分かったものだと言えるでしょう。だからこそ、他の会社にはない長所や特徴を的確にまとめておくことが重要です。

その際に注意したいのが、他の会社の悪口を言ったり、マイナスイメージにつながることをうっかり伝えたりしてしまうことです。

たとえば、「転職先の会社は○○で大変だったけれど、貴社は○○というシステムがスムーズに採用されているので楽になります」「今働いている会社は、貴社のように福利厚生が整えられていなくて満足できないのです」などということは避けましょう。

仕事で楽をするために、出戻りを希望していると会社側に感じ取られてしまえば、再雇用を消極的に捉えられてしまうかもしれません。

会社側はここでしかできない経験やスキルを活かしながら、社員に積極的に働いてもらいたいと望んでいます。会社が力を入れている分野を的確に把握したうえで、その魅力を存分に伝える準備するとよいでしょう。

経験をどのように生かすかを伝える

出戻り転職なら、前に勤めていたので仕事面もすぐに慣れると感じている人もいるでしょう。たしかに、出戻りなら1度経験した環境なので、仕事の流れは新人よりも把握しやすいかと思います。

しかし、あなたが退職してからはある程度の年月が過ぎています。職場に新たなシステムが導入されていたり、当時より高いスキルが必要になっていたりなど、変化している点があるかもしれません。

また、他の会社を経験した人には業務のスキルなどが当時より上がっていることを、会社側は期待します。そのため、勤務していた当時と比べて成長していないと感じられてしまうとマイナスとなります。なぜなら、「転職までしたのに、その期間は何だったのか?」と採用側に不安を持たせてしまうからです。

自分では気づきにくいかもしれませんが、当時と現在を比べて成長した部分はあるはずです。大きすぎる変化ではなくてもよいので、仕事に対してできるようになったことや心構えなどを客観的にピックアップしてみてください。その中には、出戻りしたい会社に生かせる経験があるでしょう。

出戻り転職の成功例と失敗例

出戻り転職は、いまとなっては会社側にとって好意的なものになっています。また、出戻りを希望する転職者にとっても、ハードルが低くなっているのが事実です。しかし、転職は100%成功するものではありません。

成功や失敗にはさまざまな要因が含まれているのはもちろんですが、共通点も存在します。ここでは、成功例やありがちな失敗例についてご紹介します。

成功例の事例

転職した会社で数年働いたものの、前の会社のように自分のスキルを十分に発揮できない環境にいた30代のAさん。他の会社でも自分の経験を生かしたいという思いが強かったものの、期待はずれな感覚がぬぐえない毎日を送っていました。そんなある日、今もつき合いのある前の会社の同僚から「出戻り転職」について声がかかります。

自己都合で退職したため、不安だったAさんですが、同僚を通して元会社の採用担当者に快い返事をもらいました。

もう1度、前の会社で働きたいとの思いを強くしたAさん。履歴書と職務経歴書をきちんと揃え、なぜ出戻りをしたいのか、今の自分がどのように会社に貢献できるのかを丁寧に記載しました。また、面接時をイメージしながら、面接官が確認したい的確なポイントを押さえながら、思いを伝える模擬練習もおこないました。。

自分の思いと、また以前勤めていた会社で働かせてもらえればという謙虚な姿勢で書類提出をしたAさん。その後、面接を実施したいという話が来ます。面接もスムーズに進んだAさんは、無事に出戻り転職の受け入れが決まりました。

失敗例の事例

自分の実力はこの会社では活かせないと、退職したBさん。その後大手の会社に転職が決まったことから、意気揚々としていました。しかし、能力がある同僚が多く、前の会社よりもスピードや成果を求められる環境に疲れ、半年で退職。その後も、さまざまな会社に転職しては同じ理由で退職することを繰り返していました。

いくつかの企業を経験したBさんは、「結局最初の会社が良かった。」と感じていました。そんなある日、前の会社が求人を出していることを知り、早速Bさんは応募。面接の機会が与えられました。

そのことで舞い上がってしまったBさんは、出戻り転職だからと軽い気持ちで履歴書と職務経歴書を書きました。そのため、志望動機の部分は、前に貴社で働いていた経験があるので、上手くやっていけると思いますという簡単なものでした。

出戻りという怠慢な気持ちで面接に臨んだBさんは、面接官に尋ねられる質問にも曖昧で具体性のない返答を続けることになります。その結果、出戻りしたい理由の強さや今までの経験をどう活かせるかが伝わらず、出戻り転職は失敗に終わったのです。

歓迎される出戻り対策を考える

前の会社に出戻りすることは可能ですが、それには謙虚な気持ちで自分を見つめなおすことが、まず大切です。ときには、「前に働いていたことがあるから」とたかをくくってしまう気持ちが出てくるかもしれません。

しかし、当時と今は会社自体もあなた自身も少なからず変化している部分があります。重要なのは、過去に何を思って、何ができたかではなく、今現在が何を思って何をできるかをしっかりと伝える必要があります。

そして、出戻り転職は、マイナス面ではなくプラス面にフォーカスして、ポジティブに接することが重要です。「ここでまた、自分の経験を活かして貢献したい」という態度や思いが、採用担当者の心を打ち、出戻りを歓迎してくれることでしょう。

まとめ

  • 現在では出戻り転職を受け入れている企業は、70%以上にのぼる
  • 当時の会社を円満退社しており、仕事のスキルも高く、上司などとの関係が良好だった人が、出戻り転職に成功しやすい
  • 出戻りでも、履歴書と職務経歴書などの書類は手を抜かずに揃える
  • 出戻りしたい理由や他社と違う企業の魅力、自分のスキルや経験でどのように貢献できるかを明確に伝える
  • マイナスやネガティブイメージを感じられる表現は避け、ポジティブな伝え方を心がける
  • 出戻り転職の成功例と失敗例を、事前に学んでおくこと
  • 出戻りするには、会社に歓迎されるような謙虚な気持ちを持つこと

出戻り転職は、今の自分を見つめなおす作業でもあるといえます。冷静に自分を分析することで、会社側の求めていることも理解できるようになるでしょう。つまり、会社側と自分が協力し合える関係にあると伝えることが重要です。