退職後の健康保険4パターンを解説!任意継続と国保の保険料比較や扶養に入る条件は?

「退職するけれど健康保険はどうすればいいの?なにか手続きが必要?」

今まで会社がすべて行ってくれていた健康保険などの各種手続き、退職に伴い不安を感じてしまうものです。

退職後には、さまざまな公的な手続きが必要となりますが、会社員として働いていた人にとっては経験したことがない手続きも少なくありません。健康保険や年金保険などの手続きがわかりにくいと感じる人が多いようです。

この記事では健康保険の手続きをメインに解説します。

記事を読むことで、退職後の健康保険手続きや加入条件などを理解いただけるので、ぜひ参考にしてください!

退職後の健康保険4つのパターンを解説

健康保険に加入することは、国民健康保険法などの法律によって義務化されています。

今までは会社で社会保険や保険組合に入っていたため、自分で手続きしなくても自動的に加入していました。

しかし、会社を辞めたら健康保険は自分で手続きし、4つのパターンから選択し加入する必要があります

任意継続被保険者制度 国民健康保険 家族の扶養に入る 転職先の健康保険
手続き期限 退職翌日から20日以内 退職翌日から14日以内 できるだけ早めに(5日以内) 入社時すみやかに
手続き場所
  • 前職の健康保険組合か自宅住所を管轄している社会保険事務所
  • 郵送も可能
自宅住所を管轄する市区町村役所にある国民健康保険窓口 家族が会社で手続き 転職先の会社が手続き
手続き方法 書類の提出と申請 書類の提出と申請 家族が書類を提出し申請 書類の提出
必要なもの
  • 印鑑
  • 住民票(扶養家族)
  • 健康保険任意継続被保険者資格取得申請書
  • 保険料(月割のため加入タイミングによって1か月か2か月分)
  • 印鑑
  • 以下いずれかの退職書類

①離職票
②退職証明書
③健康保険被保険者資格喪失証明書

  • 届出書(各市町村書式)
  • 住民票
  • 被扶養者異動届
  • 被扶養者状況届
  • 健康保険被保険者資格喪失証明書
  • 被扶養者異動届(扶養家族がいる場合)
  • 健康保険被保険者資格喪失証明書(基本的に退職時に受け取った書類すべて)

 

保険料
  • 今までの保険料の倍額程度(半分会社が負担していたため)
  • 月額保険料には上限がある
  • 都道府県により違いがある
  • 扶養家族がいても保険料は同じ
  • 世帯の前年の収入によって違う
  • 市町村により違う
  • 自分の住む市町村で計算方法をネット検索
  • わかりにくいなら窓口で計算してもらう
  • 扶養という概念がないので人数で金額も変わる
  • 今までの保険料と同額(扶養家族が増えても金額に増減はない)
  • 月額保険料には上限がある
  • 都道府県により違いがある
給与×健康保険料率÷2

  • 健康保険料率は都道府県によって違う
  • ÷2は、会社が半分の金額を負担するため
  • 月額保険料には上限がある
  • 都道府県により違いがある

 

1. 任意継続被保険者制度を利用する

退職した会社の健康保険を継続できる制度で、2か月以上の被保険者期間があれば最大で2年間継続することが可能です。

手続き期限は退職翌日から20日以内とされ、継続を希望するなら正当な理由がない限り期限内に手続きする必要があり、過ぎてしまうと受け付けてくれないため注意しましょう。

健康保険を任意継続・延長するメリット

限度額があるため、前職の年収によっては国民健康保険に加入するよりも継続した方が保険料を抑えられるケースがあります。

扶養家族がいる場合でも在職中と同額の保険料(実際は2倍、会社負担分も支払う)で、同じ給付内容で継続することが可能です。国民健康保険では人数分の保険料がかかります。

しかし、退職翌日から20日以内という期限(国民健康保険は14日以内)があるので、速やかに手続きする必要があります。

任意継続利用に必要な手続き

手続きする場所は、健康保険の種類によって違いますが健康保険組合や自宅住所を管轄する社会保険事務所になります。

退職翌日から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」の提出が必要です(郵送も可能)。

扶養家族がいるかいないかなどで、手続きに必要な書類が変わります。退職する会社の保険組合などから案内が届くケースが多いので、継続を希望する場合は保険組合に問い合わせてみましょう。

2. 国民健康保険に加入する

国民年金保険は前述したように人数分の保険料がかかります。扶養家族という概念がない健康保険なので、社会保険よりも保険料が高額になってしまうケースも少なくはありません。

国民健康保険への加入は、以下のよう人が該当します。

  • 退職後任意継続被保険者制度を利用しない人。または任意継続被保険者制度の2年継続期間の満了した人
  • 再就職をしない人。または再就職までに14日以上期間が空く人
  • 会社の健康保険(保険組合、共済組合、協会けんぽなど)に加入していない人。たとえば、自営業者やフリーランスなど

もちろん、上記に該当する人の被扶養者も加入する必要があります。

退職後に国民健康保険に加入するには、退職翌日から14日以内に市区町村役所の国民健康保険窓口で手続きが必要です。

3. 家族の扶養に入る

家族の扶養に入ることで健康保険の給付を受けることが可能です。

しかし、家族の扶養に入るためにはさまざまな条件をクリアする必要があります。

まずは、どの範囲まで扶養に入れるのかを確認しておきましょう。

別居でも可能 同居が必要
扶養に入れる範囲 配偶者、子、孫、父母、兄弟、祖父母など 内縁関係の配偶者、その子、父母

左表以外の3親等内親族

家族の扶養に入るケースでは、配偶者や親子関係であることが多いのではないでしょうか。その場合は、別居であっても扶養に入ることは可能です。

次に収入についての条件です。扶養に入る人(被扶養者)の収入額となります。

別居の場合 同居の場合
収入額
  • 年収130万円未満
  • 60歳以上および障害者は、年入180万円未満
  • 年収入130万円未満
  • 60歳以上および障害者は、年入180万円未満
条件 上記および、収入が扶養者からの仕送り額未満であること 上記および、収入が扶養者の半分未満であること

この収入は前年度の収入ではなく、被扶養者となってからの見込み年収ということです。

たとえパートタイムで働いていた場合でも、年間130万円以上の見込みになった時点で扶養家族から外れます。

また、収入に含まれるものでは、失業給付金や公的年金、健康保険の各手当金なども含まれるのでしっかりと管理し把握しておきましょう。

4. 転職先で健康保険に加入する

転職先で健康保険に加入するには、特別な手続きをする必要はありません

退職した会社から受け取った書類を転職先の会社へ渡し、会社から渡される書類へ記入し申請してもらうだけです。

具体的な流れを説明します。

  • 退職日保険証を会社へ返却します
  • 最終出勤日ではなく、書類上の退職する日となります

退職日が有給休暇や年末などの長期休暇であった場合は、会社や担当部署に書留などで郵送しましょう。

  • 退職する会社から退職書類を受け取ります

ほとんどの場合は、退職後に会社から郵送されてきます。離職票、雇用保険被保険者証、年金手帳(会社保管の場合)、源泉徴収票、健康保険被保険者資格喪失証明書などの書類になります。

  • 退職書類を転職先の会社へ提出します

健康保険に関わる書類は「健康保険被保険者資格喪失証明書」となりますが、転職先の会社の指示に従い必要な書類を提出します。

  • 退職先から申請書類を受け取り記入し提出します。

扶養家族がいる場合は、「健康保険被扶養者異動届」に記入し提出する必要があります。

任意継続と国保の保険料はどっちがお得?比較のポイント

退職後は家族の扶養に入る人や転職先が決まっている人は健康保険の加入について悩むことも少ないでしょう。しかしそれ以外の人は、任意継続被保険者制度の利用と国民健康保険への加入のどちらが得なのかわかないというケースも多いはずです。

ここでは、任意継続と国民健康保険の保険料について、比較するポイントを紹介します。

任意継続した場合は負担保険料が上がる

任意継続被保険者制度を利用した場合、前段の表1で示したように、今まで会社が負担していた保険料(半分の額)も自分で負担することになり、単純に今までの2倍の保険料を支払う必要があります。

それでも退職時の収入によっては、国民健康保険に加入するよりも保険料が安くなる人もいます。

また任意継続被保険者制度を利用した場合、保険組合が管理している保養所なども在職時と同様に使用することも可能です。

国保の保険料計算方法

任意継続被保険者制度を利用する場合は、退職前の給与詳細などを確認することで、おおよその保険料を調べることが可能です(2倍の金額が保険料の目安となる)。

しかし国民健康保険は市町村によって保険料率に違いがあります。

そのため、ご自分で計算するよりも、源泉徴収票を持参して市町村の国民健康保険窓口で保険料を計算してもらうことをおすすめします。

窓口で確認した金額と任意継続の保険料を比較することで、どちらがお得なのかの判断できるのではないでしょうか。

ほかにも、自分が世帯収入の中心で扶養家族が多いなら任意継続の方がお得な可能性もあります。しかし継続期間は2年が上限などの条件もあるため注意しましょう。

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まとめ

記事のポイントは以下になります。

  • 健康保険への加入は国民健康保険法などの法律によって義務化されている
  • 退職後の健康保険加入パターンは4つある
  • 転職先が決まっていたり家族の扶養に入るなら特別な手続きはいらない
  • 扶養に入るためには収入や、その家族との関係性など条件がある
  • 任意継続と国民健康保険のどちらがお得なのかは条件によって違う

健康保険の加入は義務化されていますが、会社員として働いている場合は手続きなどを気にすることはないでしょう。

しかし退職後の働き方によっては、自身で手続きを進める必要があります。

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